「文字が読めない」「自分の名前を書くのもつらい」……そんな状態だったほーちゃんが、夏休みの集中ケアで笑顔を取り戻した記録です。
●ほーちゃんはどんなお子さん?
当時9才、小学3年生の男の子です。
読み書きに大きな遅れがあり、医療機関でWISC検査を受け、ADHD(不注意優勢)の診断のもとインチュニブを服用中。特別支援学級に在籍し、放課後デイサービスにも週2回通っていました。
そしてお母さんは、ほーちゃんが勉強に遅れていることに悩んでいました。
●来院のキッカケ
お母さんから最初にLINEで相談をいただいたのが、2025年7月のことでした。
小学1年生の1学期が終わった頃、担任の先生から次のような指摘を受けたそうです。
・文字を1文字ずつしか読むことができていない
・思ったこと、授業のまとめを言葉に出来ない
・板書が出来ない、書く課題ができない
その後WISC検査を受け、ワーキングメモリがIQ60、全体でIQ70 という結果で、全体的な知的発達水準は「非常に低い~低い」。それで学年相応の学習は厳しいとのこと。
病院へ行き、ADHD不注意優勢の診断、インチュニブの服用を開始。
薬を飲み始めると、小さなころから幼稚園の思い出など走馬灯のように思い出し、「幼稚園楽しかった」と急に言うなど、初めて「思い出す」という感覚を知った様子。
通常級についていけず、3年生より特別支援級へ転学。それと同時に放課後デイサービスを続けながらも、「もう少し何か出来ないか?」という思いで当院にお問い合わせくださいました。
●初回来院(2025年7月18日)
初回の聞き取りで分かったことは次の通りです。
・字が読めない書けない
・自分の名前を書くのがつらい
・音読は逐次読み(一文字ずつの読み)
・読んでいても、意味は理解できない
・授業についていけず宿題も出来ない
・左利きで不器用
・図形問題は出来る
・左右/大小の判別が苦手
・YouTubeの影響で英語が混じる
初回に音読の様子を見せてもらいましたが、最初の1行だけはスムーズに読めたものの、その後は固まってしまい続けて読むのは著しく困難な状態でした。
●BBITとしての評価
お母さんに記入してもらったBBITの大脳機能チェックシートと、私自身の神経学的な評価の結果、脳機能のバランスに大きな偏りがあることが確認出来ました。
この得意・不得意の偏りのパターンが、読み書きの困難と深く関係していると判断しました。
同時に、発達の過程で本来は自然に統合されるはずの反射が複数残存していることも確認できました。これは大脳が順調に成長出来ていないサインのひとつです。
これらの結果は、文字の読み書きが苦手なお子さんの典型的なパターンでした。
よって「これはBBITで取り組める…」と判断し、施術を開始しました。
●BBITプログラム開始
【院内】
①残存している反射の統合を促すエクササイズ
②脳機能のバランスを整えることを目的とした、感覚へのアプローチ
③カイロプラクティックによる神経学的な調整
※各脳部位の機能低下側を評価し、その部位の働きを高めることを目的とした神経学的アプローチを毎回の施術で行なっています。ほーちゃんは指示が通る子でしたので問題なく出来ました。
【自宅】
①食事の見直し(グルテン/カゼイン/糖分の知識をお母さんに知識を付けていただき出来る範囲で)。
②反射の統合を促すエクササイズを毎日
③脳の活性化を目的としたアプローチを、院内と同じよう出来る範囲で。
●大切なお母さんの関わり方
ほーちゃんのお母さんは、最初から積極的にLINEで質問を送ってきてくださいました。
「初日から朝食が菓子パンとコーラ…」という報告が来て、再度アドバイスしたり、食事の改善やエクササイズのやり方を細かく確認してくださったりと、とても熱心に取り組んでくださいました。
私がいつも感じることなのですが、LINEでたくさん質問してくれるお母さんのお子さんは改善が良い傾向があります。
夏休みの期間中、遠方から毎週1回、きちんと来院してくださったことも大きな力になりました。
●結果
施術を始めて約4週目のこと。ほーちゃんに何気なくテキストを渡して音読をしてもらったところ、いきなりスラスラと読み始めました。その時、そばで聞いていたお母さんが目を丸くして「ええっ!」と声を上げて驚かれました。
この瞬間を動画に残せなかったのがちょっと悔やまれます。
正直に言うと、私自身もその瞬間驚き、胸が熱くなりました。これ書いてて今も涙出そうですが、「BBITをやっていて本当に良かった…」と心から思えた場面でした。
あの「ええっ!」というお母さんの声と、目を大きく見開いて驚いた時の顔を忘れられません。
自分の名前を書くのもつらかったほーちゃんが、文章をスラスラ読んでいる。映画のワンシーンのような瞬間でした。
●お母さんへのインタビュー、LINEのまとめ
夏休みが終わるタイミングでのほーちゃんの変化のまとめを、お母さんにお話しいただきました。またその後もLINEで近況報告を頂きました。
・今まで努力しても1文字ずつしか読めなかったのが、まとまりとして読むようになった
・知能テストで「左右や大小の判別テスト」が全部できた。特別な訓練なしで克服できていた。
・ひらがなプリントを、前は自分でなぞって字を書けなかったが、今は自分で書くことが出来て、「ま」「ほ」など、特定の字の書き間違いがなくなった
・音読の宿題がしんどくて出来ず、お母さんが読んでいたのが、自分で読むようになった。
・計算も、答えがわかってもしんどくて書かなかったが、今もめんどくさがりながらも、計算して自分で書ける。
・学校や学童から笑って帰ってくるようになった
●結果の考察
ほーちゃんはツキちゃん(症例1)と比べて、症状の程度がはるかに重いお子さんでした。検査数値も低く、発達上の課題も複数ありました。
それでも夏休みという集中した期間に、毎週1回の来院と自宅での取り組みを継続したことで、これだけの変化が生まれました。
脳機能のバランスを整えるアプローチが、読み書きの問題だけでなく、意欲・情緒面にも良い影響を与えたものと考えられます。
「学校から笑って帰ってくるようになった」というお母さんの言葉が、私にはとても嬉しかったです。テストの点数が上がることよりも、ほーちゃん自身が毎日楽しく過ごせているということ。それが、私がこの施術を続けている一番の理由です。
●最後に
今回の結果は、お母さんの熱心さと、ほーちゃんの素直さ、そして夏休みという集中できる期間が重なったからこそだと思っています。
すべてのお子さんに同じ結果が出るわけではありません。ただ、「こういうお子さんにはBBITが届く」という一つの参考として、ご覧いただければ幸いです。
同じように悩んでいるお母さんに、このページが少しでも届きますように。
●お母さんへのインタビュー動画
施術最終日(7回目)に、お母さんにお話を聞きました。ほーちゃんの顔出しもOKの許可をいただけました。
遠方から毎週通ってくださり、本当に大変だったと思います。それでもコツコツと努力を続けてくださったことが、ほーちゃんの大きな変化につながったのだと思っています。
残念ながら来ていただいたお子さん全員が、すべてほーちゃんのように短時間で大きく変化が見られるわけではありません。飽きっぽい子や指示が通らない子、施術を嫌がるお子さんもいます。そもそも「BBITで対応できる原因じゃないな」と判断せざるを得ないケースもあります。
それでも、ほーちゃんのように短期間で大きく変化するお子さんがいることも事実です。「読み書き・計算の問題(学習障害/LD)」で悩んでいるお母さんの、少しでも参考になれば幸いです。





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